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借地権の相続

借地上に自分名義の家を建てて住んでいらっしゃる方は、ご自身の相続についてこんな悩みをお持ちではないでしょうか。

「自分(父)が死んで家を息子が相続したら、息子は今後もこの家に住み続けることができるのだろうか。地主の承諾を得ないと住めないのだろうか。」

(1)建物の所有権

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お父さんは自分名義の家を建てていますから、この建物の所有者です。お父さんが亡くなったあと、建物を息子さんが相続することになった場合(「建物は息子に相続させる」旨の遺言書を作成していた場合、あるいは、父の死後に相続人全員で遺産分割協議をして建物を息子が相続することになった場合)、建物の所有権については、相続登記をして息子さんに名義を変更する必要があります。

借地上の建物だからといって、建物の所有権の相続に地主の承諾は不要です。

「相続登記」について詳しくはこちら

(2)借地権

借地権とは、建物の所有を目的として、他人の土地に設定された賃借権や地上権のことです(借地借家法2条1号)。借地権も相続の対象になります。

借地権の相続にあたり、地主の承諾は不要です。賃貸借契約書を作り直したり、名義書換料を支払ったりする義務はありません。ただし、誰が借地人となり今後賃料を支払っていくのかを地主に通知しておくべきでしょう。
なお、息子さんがお父さんと同居していなかった場合でも、息子さんは借地権を相続することができます。

定期借地権(借地借家法22条)も相続の対象になります。定期借地権は存続期間を50年以上として設定されますが、特約として、契約の更新や延長をなくしたり、建物買取請求を認めない内容にすることも可能です。
その場合、存続期間が満了すると借地権は消滅し、建物を解体して土地を地主に返さなければなりませんので、相続の際には、契約書の内容を確認することが大切です。

※地主の承諾が必要になるのは、借地上の建物を第三者に譲渡するような場合です。主たるものとしての建物を譲渡すると、従たるものとして借地権も第三者に移転することになり、その借地権の譲渡には貸主である地主の承諾が必要になるからです(民法612条1項)。

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