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配偶者居住権を活用した節税メリットとリスク

配偶者居住権を活用した節税メリットとリスク

メリットとリスク

令和2年4月1日から施行される「新民法」第1028条「配偶者居住権」の施行まで、残すところ3か月余りとなりました。そこで、今回は、配偶者居住権について税務上の節税とリスクをまとめてみました。

配偶者居住権

第1028条 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(「配偶者居住権」)を取得する。

配偶者居住権の評価

相続税法では、土地と建物で別々に計算します。(相法23の2)

建物
配偶者居住権・・・配偶者
負担付き所有権・・・・配偶者以外の相続人

土地
配偶者居住権に基づく敷地利用権・・・・配偶者(小規模宅地等の特例の適用があると考えられる)
負担付き所有権・・・・配偶者以外の相続人(要件を満たせば、小規模宅地等の特例の適用があると考えらえる)

建物が老朽化した時や、空き家になった時のリスク

配偶者居住権は譲渡することができず、また、配偶者は居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、または第三者に居住建物の使用もしくは収益をさせることができません。

したがって、配偶者の年齢が若い場合、建物の老朽化による修繕や建替などの必要が生じた時に、想定していない問題が起きる可能性もあります。

また、配偶者は、無償で居住するのですから、通常の費用(固定資産税や火災保険料など)は配偶者が負担することとなりますが、配偶者が長期入院や老人ホームに入所する場合は、空き家になる期間が長くなり、譲渡や賃貸が出来ないことによる負担が大きく残るリスクがあります。

期間の中途で合意解除、配偶者による放棄等があった場合のリスク

配偶者居住権は、配偶者の放棄、配偶者と建物所有者との合意・解除等した場合には、消滅します。

配偶者居住権が期間の中途で消滅することとなった場合、所有者が対価を支払わなかった時は、原則としてその建物または敷地の所有者が、その消滅直前にその配偶者が有していた配偶者居住権の価額または敷地利用権の価額をその配偶者から贈与により取得したものとして、贈与税が課されることになります。(相基通9-13の2)

また、配偶者が対価を取得した場合には、借家権の譲渡として譲渡所得の対象となります。(令和2年度の税制改正大綱では、取得費の計算も明らかにされました。)

配偶者が死亡した時は、配偶者居住権は消滅し節税対策に有効

配偶者が死亡した時は、配偶者居住権の消滅により、負担付き所有者は無税で配偶者所有権を取得することになると考えられ、大きな節税効果が得られます。

具体例

建物
① 配偶者居住権・・・配偶者 828万円
② 負担付き所有権・・・配偶者以外の相続人 172万円

土地
③ 配偶者居住権に基づく敷地利用権・・・配偶者 4,014万円
④ 負担付き所有権・・・4,986万円

配偶者取得分 ①828万円+③4,014万円×0.2(小規模宅地等の特例を適用)=1,630万円
(配偶者の税額軽減を適用して相続税ゼロ)
配偶者が死亡した時には、配偶者居住権は消滅しますので、1,630万円を無税で負担付き所有者は取得することが出来ます。

配偶者居住権が創設されたことで、相続人は取得する財産について選択肢が追加されましたが、入口だけでなく、出口(配偶者の死亡)まで見据えたプランニングをしないと、途中思わぬ税負担が生じることになりますので、慎重な対処をしなければなりません。

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