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次世代経営者へのバトンタッチ
~自社株(非上場株式)等の相続税・贈与税の納税猶予の特例~

悩む経営者 イメージ

中小企業の経営者の高齢化

『父親が急死して突然工場を継ぐことになって、本当にお金が要った。あの時のことを考えると怖くなります、、、』
ある町工場の社長さんから伺ったお話です。

日本の中小企業の経営者の高齢化が進み、次世代経営者への経営権の移転の必要性が高まっていることを鑑み、経営権の移転に関して円滑な事業承継の見地から、経営権を移転させるための株式の贈与及び株式の相続・遺贈による移転について優遇措置を講ずることが必要不可欠となっています。
そこで、従前の「非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予及び免除」の制度より要件等の緩和措置が盛り込まれた「非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例」が創設され平成30年より施行されています。

なお、この規定は令和9年12月31日までの限定の規定であり、この規定の適用を受けるためには令和6年3月31日までに特例認定承継会社の認定を受けるための「特例承継計画」を提出しなければならないこととなっていました。 町工場 イメージ

しかし、令和6年度税制改正大綱(令和5年12月14日与党公表)で、コロナの影響の長期化や物価高騰等の急激な経営環境の変化により事業承継の検討が遅れている状況を踏まえて「特例承継計画」の提出期限を2年延長することとされ、改正後の提出期限は令和8年3月31日となりました。

ただし、事業承継税制の特例措置自体の適用期限(令和9年12月31日)については、今後も延長されない見込みのため、本制度の適用を受ける可能性がある場合は、早めに事業承継計画の策定に着手するほうがよいと思われます。

「この特例措置は、日本経済の基盤である中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上が待ったなしの課題であるために事業承継を集中的に進める観点の下、贈与・相続時の税負担が生じない制度とするなど、極めて異例の時限措置としていることを踏まえ、令和9年12月末までの適用期限については今後とも延長を行わない。」「事業承継を検討している中小企業経営者及び個人事業者の方々には、適用期限が到来することを見据え、早期に事業承継に取り組むこと及び政府・関係団体には、目的達成のため一層の支援体制の構築を図ることを強く期待する。」

※令和6年度税制改正大綱より抜粋

前述の非上場株式以外に、個人事業者の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度についても、同様の延長が公表されています。

  • 『もっと詳しく知りたい』
  • 『自社の株式は一体いくら位なのか?』
  • 『生前にできる相続対策は?』等々、

ご相談のある方はどうぞお気軽に弊所にご相談ください。

事業承継税制(特例措置)の概要

【贈与税の納税猶予制度について】
後継者が贈与により取得した株式等(ただし、決議権を行使することができない株式を除きます。)に係る贈与税の100%が猶予されます。本制度の適用を受けるためには、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の「認定」を受け、報告期間中(原則として贈与税の申告期限から5年間)は代表者として経営を行う等の要件を満たす必要があり、その後は、後継者が対象株式等を継続保有すること等が求められます。また、後継者が死亡した等の一定の場合には、猶予された贈与税が免除されます。

【相続税の納税猶予制度について】
後継者が相続⼜は遺贈(死因贈与を含みます。)により取得した株式等(ただし、議決権を⾏使することができない株式を除きます。)に係る相続税の100%が猶予されます。 本制度の適⽤を受けるためには、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の「認定」を受け、報告期間中(原則として相続税の申告期限から5年間)は代表者として経営を⾏う等の要件を満たす必要があり、その後は、後継者が対象株式等を継続保有すること等が求められます。また、後継者が死亡した等の⼀定の場合には、猶予された相続税が免除されます。

※経済産業省 経営承継円滑化法 申請マニュアルより抜粋

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