遺言書作成例11:長女に結婚資金の贈与をしているが、相続分の算定の際に入れたくない!~特別受益の持戻し免除をする場合~ | 相続手続き・遺言・後見なら名古屋相続手続き遺言後見サポート|名古屋市愛知県

遺言書作成例11:長女に結婚資金の贈与をしているが、相続分の算定の際に入れたくない!~特別受益の持戻し免除をする場合~

遺言書

遺言者○○○○の相続に関し、共同相続人の相続分を算定する場合、長女○○○○(昭和○年○月○日生)に同人の結婚資金として平成○年に贈与した金○○円について、特別受益の持戻しを全て免除する。

平成○年○月○日

○○県○○市○○町○丁目○番
遺言者 ○○○○ 印

特別受益とは

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特別受益とは、相続人が、被相続人から遺贈を受け、または婚姻、養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与を受けたときの利益をいいます。

通常は、相続人の相続分を計算するときには、相続開始のときの相続財産の価額にその相続人の相続分を掛けて計算します。

しかし、特別受益があるときには、被相続人の相続開始のときに有した財産の価額に、特別受益を受けた財産の価額を加えたものを相続財産とみなし、これにその相続人の相続分を掛けて計算した額から特別受益を受けた財産の価額を引いた額が相続分となります。

このように計算をすることが相続人間の公平にかなうといえることからこのように規定されているのです。このように特別受益にあたる利益の額を相続分の計算上考慮することを「特別受益の持戻し」といいます。

確かに、このような特別受益の持戻しをすることは、相続人間の公平にかなうもので、通常はこのように扱うことが被相続人の意思にも合致すると考えられるでしょう。

しかし、被相続人が特別受益の持戻しを免除することを表明した場合には、その意思は尊重され、効力を生じることになります。この意思の表明はどのような形式でされてもよいのですが、遺贈に関して持戻しを免除する場合には遺言をもってなす必要があります。

もっとも特別受益の持戻しも遺留分を侵害する場合には、遺留分減殺請求の対象となります。

特別受益の持戻しの免除が本事例のように遺言でされた場合には、遺言者が死亡したときに効力を生じます。特になんらかの行為を要するわけではありません。

本事例で、被相続人の遺産が3000万円で、相続人は、長女を含む子3人であったとしましょう。長女の結婚資金のための贈与が300万円であったとすれば、特別受益の持戻しの免除があったときは以下のような計算になります。

特別受益の持戻しの免除がなければ、(3000+300)×1/3-300=800万円が長女の相続分となります。しかし、この遺言により長女の相続分は3000×1/3=1000万円となります。そしてこの他に長女は生前に300万円を結婚資金として得ていることになるのです。

本事例では長女だけが結婚資金の贈与を受けていることになっていますが、通常は相続人が各自贈与を受けている場合も考えられます。そのような場合にも、本事例のようにひとりだけ持戻しを免除することもできますが、すべての相続人について持戻しの免除がされることも多いようです。


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