法定相続証明情報制度を活用し、早期に手続き完了できた事例
A様はお父様がお亡くなりになり、10件の不動産と12件の銀行口座について相続手続をするために来所されました。相続人はAさんは妹さんのお二人で紛争はありませんでしたが、相続税の申告期限にを間に合わせたい、気持ちとして相続手続を早く終わらせたい、という希望がありました。
そこで不動産登記と金融機関の相続手続、相続税申告を同時に行うため、法定相続証明情報を活用することにしました。相続手続には戸籍謄本等が必要ですが、人によっては十数通の取得が必要になります。その場合、取得費用が負担になるので(一般的に除籍謄本、改製原戸籍謄本は各1通750円、戸籍謄本は1通450円)、登記が終わり次第、A銀行口座解約、次はB銀行口座解約など、各相続手続を順番に行うことが一般的です。
しかし、法務局で法定相続証明情報一覧図を作成すれば、戸籍謄本等に代わり亡くなった方の相続関係をその図で証明できます。遺産分割協議が必要な場合は、一覧図とともに、遺産分割協議書とそれに添付する印鑑証明書も用意する必要ではありますが、相続手続を急ぐ方には有用な制度です。そして平成30年4月1日から、原則、一覧図において子である相続人の続柄記載が戸籍に記載されている続柄(例えば,子であれば,「長男」,「長女」,「養子」など)となりました。これにより、法定相続情報一覧図を相続税申告にも利用できるようになりました。
以上の法定相続証明情報制度の利用により、一覧図を3通作成することで、登記、相続税申告、A銀行口座解約手続きを同時に実施できました。その後も金融機関の相続手続を同時に実施し、通常より1か月以上早く全ての手続を終えることができました。
相続手続きを早く進めたい方は法定相続証明情報制度を是非ご確認下さい。