今回は「先祖代々の土地を家族の血縁内で承継させたい」という希望を家族信託で実現したケースを紹介します。以下のような状況のご家庭に役立つ実例です。
Aさん(85歳)は、先祖から相続してきた大切な土地を所有しています。「土地は代々この家の血縁者で守っていきたい」という強い思いがあり、相続によって一族以外(子どもの配偶者など)へ流出することを危惧しています。
自分が亡くなったあとは、長男Cさん→二男Dさん→Dさんの子Gさんへと土地を引き継いでいきたい
Aさん(委託者・第一次受益者)が土地を信託財産とし、長男Cさんを受託者とします。受益者を「Aさん→長男Cさん→二男Dさん」と順に指定し、最終的に財産を受け取る帰属権利者を孫Gさんに指定することで、複数世代の承継を実現しました。
遺言では「長男Cに土地を相続させる」という指定はできますが、長男Cさんが継いだ土地をどのように扱うか、次の世代にどのように引き継ぐかはCさんの自由意志となり、Aさんにはコントロールできません。
家族信託であれば、Aさんが亡くなるまでは長男Cさんが管理し、Aさんが亡くなった時点の二男Dさんの年齢によって、Dさんもしくは孫Gさんが管理、というように明確に承継ルートを定めることができます。これは家族信託でしか実現できません。
また、このようにルート設定しておくことで、一族の土地が子の配偶者側へ流出してしまうことも防ぐことが可能です。
このように、あらかじめ決めた人に複数世代にわたって承継する家族信託を「受益者連続信託」と呼びます。
信託財産は民法上の「遺産」に入りません。そのため、土地を誰が取得するか、分けるならどのように分けるかといった遺産分割協議の問題から完全に切り離されます。
土地や不動産のような単純に分けることが出来ない財産は、相続においてトラブルの火種となりやすい財産ですが、家族信託を設定の際は、家族会議などを通じ全員が納得のうえで信託を組むことをお勧めしておりますので、その点からも、相続におけるトラブルを最小化することが可能です。
今回のような長期的な信託では、受託者(管理者)が途中で意図せず変更となるケース(死亡・高齢・辞任など)がありますので、受託者の交代ルールを明確にしておくことが重要です。
誰がどのタイミングで管理を引き継ぐのかを契約条項で定めることで、長期的な管理の安定性が確保できます。
また、受益者と受託者が同一人物になってしまうと法律上1年で家族信託が終了してしまうため、場合によっては受益者を複数人にするなどの工夫も必要になります。
専門家と相談しながら交代の順番・条件・手続きまで詳細に設計しましょう。また、決定した承継ルールについて家族全員で認識を共有しておくことも重要です。
相続の問題を解決する方法は、家族信託以外にもたくさんあります。それぞれの制度に関する理解を深め、選択肢を広げておくのも重要な相続準備です。
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相続に関するベストな対応は、それぞれの家族構成や遺産の状況など、家庭によって異なります。名古屋総合リーガルグループは、弁護士をはじめとした専門家がチームを組んで対応いたしますので、相続の争いから税務、登記まで幅広く対応が可能です。
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