【保存版】相続手続きの流れと必要書類を徹底解説|必要な判断と準備がわかる実務ポイント集|名古屋総合リーガルグループ
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相続手続きの流れと必要書類を、時系列でわかりやすく整理しました

公開日:2025年11月20日、更新日:2025年11月20日

こんなお悩みありませんか?

「相続が始まったけれど、何から手をつければいいか分からない」
「今のところトラブルは起きていないけれど、誰が何をやるべきか決まっていない」

相続人同士が揉めていないとしても、何が必要な書類か調べて、間違いのないように不慣れな手続きを進めるのは、それだけでとても負担がかかることです。
ここでは、全体像の把握の手助けとなる情報と、無理なく確実に手続きを進めていくための方法をまとめています。ぜひ参考にしてください。

すでに手続きを進めていて、弁護士や専門家に相談してみたい、サポートを受けつつ進めたいと思っている方は下記からお気軽にお問い合わせください。

相続手続きの全体像|死亡後に必要な手続きの流れを時系列で整理

相続手続きは、死亡届をはじめとした役所の手続きから、相続税の申告・納税まで、多くの段階があります。
ここでは、死亡を知ったときからの全体フローを整理していますので、必要な準備やスケジュール感をつかむためにぜひ確認してください。必要な書類については後述しています。

相続手続きのフロー 相続手続きのフロー

死亡後7日以内

すぐに行うべき重要手続きとは?(死亡届・火葬・役所対応)

  • 医師から死亡診断書を受け取り、市区町村役場へ死亡届提出※その他の手続に使用する場合がありますので死亡診断書はコピーをとっておきましょう。(国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療、国民年金の資格喪失・受給停止、世帯主変更手続きなども役場窓口に確認し、一緒に手続きしてしまうのがよいでしょう)
  • 火葬許可証を取得して火葬・葬儀の準備を進める
死亡後10日以内

厚生年金の手続きを忘れずに!必要書類と窓口は?

  • 厚生年金加入者だった場合は死後10日以内に近くの年金事務所(または年金事務センター)に年金受給権者死亡届(報告書)を提出
できるだけ速やかに

名義変更・解約の優先順位と注意点|進めるべき順番とは?

名義変更や解約の手続き間の依存関係に影響していて、順番を誤ると他の解約や認証が滞るおそれがあるものに関しては慎重に進めましょう。以下で具体的に説明します。

名義変更・解約はこのようなものが代表的なものです(これ以外にもあり得ます)

  1. 公共サービス(電気・ガス・水道、固定電話、NHK等)
  2. サブスクリプション・趣味・会員関連(スポーツジム、ゴルフ場、趣味の会員権等)
  3. 賃貸関連(賃貸住宅契約、駐車場契約等)
  4. 通信サービス(携帯電話、Wi-Fi契約、固定回線等)
  5. 保険契約(生命保険、医療保険、自動車保険、火災保険等)
  6. 金融サービス(クレジットカード、電子マネー、銀行口座等)

解約する際の注意点

  • 携帯電話はSMS認証やワンタイムパスワードの受信用に使われていることがあるため、連携先をすべて確認・解除してから手続きしましょう。
  • クレジットカードは各種支払い先の変更・停止後に解約しましょう。
  • 賃貸関連の引っ越しでは家財道具を勝手に売却・処分・使用せず、専門家に相談を。
  • 保険契約の解約返戻金の引き出しや解約、生命保険金の受け取りは、相続財産や相続放棄に影響する可能性があるため、事前に専門家確認が重要です。
できるだけ速やかに

相続遺産・相続人の調査・評価

相続人は戸籍、財産は通帳・不動産・通知書などから調査を進めます。調査・評価が遅れると、相続放棄の判断が間に合わなくなることもあるため、早期対応が重要です。

特に不動産など単純にお金に換算しにくいものを含む場合には、評価が難航する可能性があるため注意しましょう。詳しくは弊グループの相続税サイト「相続財産の評価open_in_new」でご確認ください。

死亡後3か月以内

相続放棄や限定承認を検討すべきタイミングと判断基準

調査・評価結果をもとに、各相続人が単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかを選択します。
限定承認・相続放棄は、死亡を知った日から3か月以内に家庭裁判所への申述が必要です。

単純承認 プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐ 解説ページ 単純承認open_in_new
限定承認 プラスの財産の範囲でしかマイナスの財産を負担しない 解説ページ 限定承認open_in_new
相続放棄 プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継がない 解説ページ 相続放棄open_in_new
  • それぞれの選択方法については相続サイトで詳しく解説しておりますので、そちらも合わせてご確認ください。

相続放棄や限定承認をしないことが決まったら、次は遺産分割協議に進むことになります。協議の開始に明確な期限はありませんが、相続人が確定していて、主な財産の内容が把握できていれば、準備ができたあたりから準備・調整を進めるケースが多いです。被相続人名義の預貯金や不動産などの分割・名義変更のためにも、協議はできるだけ早めに進めるのが望ましいでしょう。

死亡後4か月以内

準確定申告のやり方とは?対象者・必要書類・提出先

被相続人が確定申告義務者だった場合、死亡後4か月以内に税務署へ準確定申告を提出します。

  • 準確定申告:亡くなった人(被相続人)がその年の1月1日から死亡日までに得た所得(収入)について申告・納税する手続きです。通常の確定申告は本人が行いますが、準確定申告では相続人が申告・納税の義務を引き継ぎます。
死亡後10か月以内

相続税申告の必要有無をどう判断する?流れと対策を解説

相続税の申告が必要かどうかは、相続財産の総額が「基礎控除(3,000万円+600万円(法定相続人の数))※ただし養子の場合には制限あり」を超えるかで判断します。申告期限は死亡を知った日の翌日から10か月以内です。※未分割でも必要です。

遺産分割協議をした後

預貯金・不動産・証券・動産の解約・名義変更

遺産分割協議がまとまったら、協議内容に基づいて各資産の解約・名義変更手続きを進めます。
預貯金や不動産、証券・株式、自動車、会員権、高額動産など、それぞれの管理機関や窓口で個別の手続きが必要です。
必要書類や手続き内容は資産ごとに異なるため、事前確認をしておきましょう。

死亡後3年以内

相続登記(不動産の名義変更)

遺産の中に不動産がある場合は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に法務局で名義変更(相続登記)を行う義務があります。遺産分割が未完了でも、法定相続分での登記又は相続人申告登記が必要です。
遺産分割協議が終わらない場合でも、法定相続分での登記義務が発生します。
正当な理由なく怠ると過料が科される可能性があるため、早めの対応が重要です。

ブログ1

上記の流れを理解したうえで、実際の手続きを進めるには、必要な書類を早めに準備しておくことがとても重要です。
ここからは、具体的にどのような書類を揃える必要があるのかを整理していきます。

相続手続きに必要な書類一覧|書類の種類・取得先・誰が準備する?

相続手続きでは、正確な書類の収集と準備が欠かせません。
戸籍や住民票、通帳、遺言書など、どの段階で何が必要になるかを早めに把握しておくことで、後からのやり直しや手続きの遅延を防ぐことができます。

ここでは、主な必要書類とその取得先、何のために使うのかをわかりやすくまとめました。

遺産確定に参考になる書類一覧

どんな資料 どこで確認・取得するか 何のために使うか(調査目的)
通帳・キャッシュカード 自宅・金庫・遺品から 預貯金口座の特定・残高証明書取得のため
郵便物・通知書 自宅に届いたもの 借入・保険・証券会社・税関連の手がかり
不動産の納税通知書 被相続人の保管書類/役所 所有している不動産の所在・課税額の確認
登記識別情報通知または登記済権利証(平成18年以前)・固定資産税の課税明細書 自宅・郵便物など 相続登記や不動産評価額の確認
証券会社・保険会社の通知 自宅郵便物やメールなど 株・投信・保険金の存在確認
スマホアプリやネットバンキング 被相続人の端末・メール・メモ帳など 通帳が存在しないネット銀行の確認
クレジット明細や借用書 書類・ファイル・スマホ・通帳の引落記録など 負債の有無の確認(相続放棄判断の参考にもなる)

財産や負債の存在に気づかずに相続手続きを進めてしまうと、後から遺産分割協議のやり直しが必要になることもあります。スマートフォンのアプリやメール履歴、郵便物なども含めて、できるだけ早めに確認することが大切です。

相続人確定に必要になる書類一覧

誰の なにを どこで取得するか 使用する手続き例
被相続人 出生から死亡までの戸籍謄本 本籍地の市区町村役場(複数にまたがる場合あり)※1 相続放棄・遺産分割・相続登記・相続税申告など
住民票の除票 最後の住所地の市区町村役場 不動産登記・相続税申告など
遺言書 自宅・公証役場・法務局など遺言書を保管している場所 遺産分割など
相続人全員 戸籍謄本(現在のもの) 本籍地の市区町村役場※1 相続人確定・遺産分割協議書の作成など
住民票 現住所地の市区町村役場 不動産登記・金融機関・相続税申告など

※1:被相続人の配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子、孫など)の場合はお住まいや勤務先の最寄りの市区町村の窓口でまとめて請求が可能です。

相続人確定に必要になる書類一覧

誰の なにを どこで取得するか 使用する手続き例
被相続人 戸籍の附票 本籍地の市区町村役場(窓口もしくは郵送※同じ戸籍に在籍の方はコンビニ交付サービスが利用可) 最後の住所が登記簿上の住所とつながらない場合の証明
相続人全員 印鑑証明書 遺産分割協議書への添付・登記申請など
本人確認書類(マイナンバー、運転免許証など) 本人所持、または官公庁から交付 金融機関・法務局・裁判所等での本人確認
遺産分割協議書(または遺言書) 自作または専門家に依頼 相続登記・預貯金解約・相続税申告など

必要な書類を揃え、基本的な流れを理解できたら、次に気をつけたいのが思わぬトラブルの芽です。
ここでは、特に問題になりやすいケースを簡単に整理しましたので、当てはまるものがないか確認してみましょう。

失敗しないために|相続手続き前に確認したいこと

相続手続きは、たとえ相続人同士で争いが起きていない場合でも、意外と多くの段階と必要書類があります。

以下のような状況に少しでも当てはまる方は、自分だけで進めようとせず、専門家に相談したり、代行サービスを利用したりすることで、スムーズかつ確実に進めることができます。

こんな状況でお困りではありませんか?

こうした場合は、専門家が必要な部分だけお手伝いするプランや、面倒な部分をまるごと代行するサービスもあります。ぜひお気軽にご相談ください。

料金プランのご案内

実際に寄せられたご相談例(一部抜粋)

上記のような状況に心当たりがある場合は、早めの専門家相談がおすすめです。
実際に当事務所に寄せられたご相談例をいくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。

相談者

【ご相談例1】「相続税がかかるか不安なので調べてほしい」

弁護士のサポート

不動産や株式といった単純に分けられない遺産が含まれている場合、遺産の総額の計算が難しく、相続税がかかるかどうか分からないといったケースがあります。こちらの事例では幸い相続税は発生しなかったのですが、弁護士と連携し遺産分割のサポート、遺産分割協議書の作成を行いました。ご依頼者さまのお母さまは既に認知症を患っていたため、二次相続を見越して助言を行いました。

相談者

【ご相談例2】「仕事が忙しくて手続きを進める時間が取れない」

弁護士のサポート

遺産の内容を把握していて相続人間で争いがなくても、遺産分割の手続き自体に割く時間を作れないというケースは少なくありません。
こちらの事例では、遺産・相続人の調査を行う時間が取れないご依頼者さまに代わり手続きを進めるサポートをいたしました。
今回は、ご依頼者さまの把握していた財産と調査した財産にギャップがなかったためスムーズに進みましたが、調査を進めていくうちに知らなかった負債が出てきたり、登記等の手続きに時間を要する場合もあります。余裕をもって手続きを進めましょう。

相続トラブルの解決事例一覧open_in_new

相続手続きでよくある質問4選|電子マネー・遺言・放置リスクまでカバー

※各項目をタップ(またはクリック)で詳細を確認できます。

遺言書があると遺産分割協議は不要ですか?

公正証書遺言等の遺言で明確に分けられている場合は分割協議は不要ですが、自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認が必要になります。また、内容によっては一部について協議が必要になることもあります。

相続手続きを後回しにしておくと、どんなリスクがありますか?

例えば不動産登記を放置すると、相続人がさらに亡くなったときに相続関係が複雑になり、分割協議が困難になります。預貯金の口座凍結、相続税の申告期限超過、登記義務化による過料リスクなど、放置によって法的・実務的な不利益が生じる可能性があります。

遺産分割協議の準備期間の目安はどれくらいですか?

遺産分割協議の準備には、一般的に2週間から2か月程度が目安ですが、相続人の人数や関係性、財産の内容によって前後します。例えば次のような作業が必要になります。

  • 相続人の確定(戸籍の収集など):1〜3週間
  • 相続財産の整理(預貯金・不動産・保険・負債など):1〜4週間
  • 書類の収集(残高証明書、登記簿謄本など):各遺産につき1〜2週間
  • 相続人同士の調整・合意形成:状況により異なります

関係が良好で財産も把握できている場合は2〜3週間程度で協議に入れることもありますが、相続人が多い・疎遠・全国に分散している場合などは1〜2か月以上かかることもあります。
準備が整っていれば、協議書の作成自体は1日で済むことも多いため、まずは早めに調査と必要書類の確認を進めておくのがおすすめです。

SuicaやPayPayなどの電子マネー、プリペイド残高、ポイントなども相続財産に含まれますか?

はい、基本的には相続財産に含まれます。以下の点にご注意ください。

  • 期限により失効する場合があります。
  • サービスごとに残高の払戻しや相続手続きの可否・方法が異なります。
  • 譲渡や相続ができないポイント(Amazonギフト券、App Store残高など)もあります。

こうした少額資産が原因で税務的な問題になることは多くありませんが、電子マネーの普及や、被相続人がデジタル資産を多く保有していた場合などには、一定の注意が必要です。
なお、これらの情報は、相続人が直接、被相続人のスマートフォン・メール・アプリの履歴などから確認していただくのが基本となります。

相続に関するご相談はお早めに

相続を完了せずに放置しておくと、関係する相続人が増えてしまったり、建物をいつまでも活用・処分できなかったりするだけでなく、ご自身にとっても不利益となる場合があります。

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ご自身の状況が整理できていない方や、「 部分だけ専門家に依頼したい」という方でもご相談は可能です。
まずは、今できることを専門家と一緒に整理するところから始めてみませんか?

関連サイトのご案内

当事務所では、相続の状況ごとに専門サイトを運営しています。お困りの内容がはっきりしている方は、以下のページから各専門サイトをご確認ください。

また、「今回の経験を踏まえて、今後の備えをしておきたい」という方は、生前贈与arrow_forward遺言arrow_forward家族信託open_in_newなどのページも合わせてご確認ください。

  • 本記事は、名古屋総合リーガルグループの執筆・編集チームによる制作内容について、所属弁護士・税理士・司法書士が監修を行っています。内容はページ公開時点の情報に基づいており、制度変更等の可能性もありますので、詳細はご相談時にご確認ください。所属士業はこちらarrow_forwardでご確認いただけます。